予防接種

アクトヒブⓇ:インフルエンザ菌b型(Hib)予防接種(保護者説明文)

インフルエンザ菌b型(Hib,「ヒブ」と略)による感染症

 細菌性髄膜炎は、脳や脊髄をおおっている髄膜に細菌が感染しておこり、適切な治療が行われても死亡したり、重篤な後遺障害が起こることが少なくありません。細菌性髄膜炎を起こした原因菌の約40%がHibといわれています。Hibが原因と報告された細菌性髄膜炎患者の年齢分布は1歳未満が約50%と最も多く、5歳以上での発症はほとんどありませんでした。日本での調査では、およそ年間600人のHib髄膜炎が発生しており、罹患リスクの高い2ヶ月―5歳までの間に2000人に1人の割合で発生していることになります。Hib髄膜炎は初期の臨床症状からは早期診断が難しいだけでなく、抗菌薬への耐性化が進んでいることから治療に難渋することもあり、予防が重要です。

(1)Hibワクチンの効果

 海外の2つの報告では(約97,000例と、5,211例を対象)、2回以上のワクチン接種を受けた被験者ではHib全身感染症は起きませんでした。アメリカにおいては、ワクチン実施後の5歳未満のHib髄膜炎の発症率は、実施前の数%まで減少しました。

(2)ワクチンの副反応

 日本での臨床試験では、発赤や腫脹・硬結などの局所反応は20-40%の接種者に認められました。発熱などの全身反応は数%でした。ほとんどの副反応は接種後2日後までに起こり、接種を重ねても発現率は変わりませんでした。本剤は、製造工程でヨーロッパ及びアメリカ産ウシ由来の成分を使用しているので、理論上は伝達性海綿状脳症(いわゆる、ウシBSE)の感染の可能性がゼロとは言えませんが、極めて低い可能性と考えられます。

(3)接種スケジュール

接種開始

2ヶ月齢以上7ヶ月齢未満 4-8週間隔で3回、約1年おいて追加1回(計4回)
7ヶ月齢以上12ヶ月未満 4-8週間隔で2回、約1年おいて追加1回(計3回)
1歳以上5歳未満 1回接種
(4)副反応がおこった場合の対応

発熱、接種場所の発赤・腫脹(はれ)・硬結(しこり)などは、通常数日以内に自然に治るので心配する必要はありませんが、接種局所のひどい腫れ、高熱、引きつけなどの症状があったら、医師の診察を受けてください。

(5)「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」による救済制度

任意接種のワクチンを受けて健康被害が生じたと認定された場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による救済制度の対象になります。

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