
水痘(水ぼうそう)・ムンプス(おたふくかぜ)の予防接種について
「水ぼうそう」や「おたふくかぜ」はウィルスによる感染症で、強い伝染力をもっているので、かかったことのない子どもが接触すれば高い確率で感染・発症します。このため、乳幼児の間で小さな流行が毎年のように繰り返されています。また、いわゆる“風邪(カゼ)”に比べると、重たい合併症や後遺障害を起こすことが知られているので注意が必要です。
「水ぼうそう」や「おたふくかぜ」は、ワクチン接種をすることで、かからずに済む/重たくならずに済むことが出来ます。その有効性や安全性は確かなものであり、ポリオやBCGなどの定期接種と同様に、みなさんにお勧めできるワクチンです。
ワクチンを受けた健康小児の90%以上で、抗体が産生されます。幼稚園などで流行があった場合のワクチン有効率は80-90%といわれています。一部に、ワクチンを受けていたのに罹ってしまう子ども(10-20%)がいますが、ワクチンの効果により軽い症状で済みます。ワクチンの効果は、接種後1ヶ月ほどして現れ、野生株の不顕性感染を受けることで長期間維持されていると考えられています。
満1歳を過ぎれば、いつでも出来ます。いずれも生ワクチンなので、次の予防接種まで4週間をあけます。麻しん風しん混合ワクチンなど他のワクチンとの同時接種も可能です。
水ぼうそう(水痘)の緊急接種は、患者との接触から72時間以内に接種することで発症を押さえ込んだり、軽症化させることを目的に行います。(おたふくワクチンの緊急接種は無効とされています)
・水痘(水ぼうそう):ときに(0.1-5%未満)、接種後1-3週間ごろ、発熱、発疹が見られますが、一過性で数日中には消失します。まれに(0.1%未満)アナフィラキシーなど重大な副反応が生じる可能性があります。接種後、免疫が低下するような状況で帯状疱疹が生じることがありますが、その発生率は野生株に罹った患者と比較して同じか低いと考えられています。
・ムンプス(おたふくかぜ):接種後2-3週ごろに、一過性の耳下腺腫脹や発熱が2-3%の接種者に見られます。まれに(0.1%未満)アナフィラキシー、感音性難聴など重大な副反応が生じる可能性があります。ワクチン後の無菌性髄膜炎は6000-14000人に一人(約0.01%)で、野生株に感染したときより低い発生率になっています(自然感染による無菌性髄膜炎の頻度は1-3%)。
任意接種のワクチンを受けて健康被害が生じたと認定された場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による救済制度の対象になります。
アメリカをはじめとして先進国の大多数が、水痘(水ぼうそう)/ムンプス(おたふくかぜ)のワクチンを定期接種として、全ての子どもたちに打っています。「無料か、有料か」は、自治体の財政の問題であり、「子どもたちの健康のために、お金を出すか、出さないか」という政治的判断の問題です。